今週のじぃご飯♪

今週のじぃご飯♪

し戻ってたも

「シュワちゃん、かっこよかったですよね。彩さんはあんなごつくないですけど、おれの中ではあんな風に強くなれたらいいなぁって思う存在でした。」


「期待に副えなくて悪かった。」


「おれが好きな彩さん……なら、遠回りしてもきっ重新加按とくると思ってました。」


「I'll be back……か。買い被り過ぎだ。」


「今日は久しぶりに彩さんとキャッチボールしようと思って来たんです。ほら、昔使ってたグローブ懐かしいでしょう。」


ぽんと放られたグローブは、彩が部室に残して卒業のだった。手入れが行き届いていて、今も大切にされているのだろう。


「里流が持ってたのか?部室に有っただろう?」


里流は、我慢できずにあはは……と、声を上げた。


「卒業する時のどさくさに紛れて、盗んだんです。……どうしても欲しくて。」
裏口にひょいと顔を出した沢口が、何を言ってるんだ、里流と声を掛けて来た。


「まあ、どうしても欲しかったって言うのは嘘じゃないだろうけど。こいつね、先輩。毎日、抱きしめるようにしてグラブの手入れしてたんすよ。俺じゃなくても、もういっそ貰っちゃえばって言いますよ。」


「やめろよ、沢口。余計な事言うな。」


先輩のだから、欲しかったんだろ?と言った資金流向親友に、どう返事をしていいかわからない里流だった。


「織田先輩。まだ仕事有るなら言って下さい。俺も、手伝います。」


「いや、もう終わりだ。開店休業みたいなものだから、空きケースを片付けるくらいしか用はないんだ。うちみたいな小店は、親父の代で終わりだろうな。配達も夕方、数件あるかないかだから。」


「そうっすか。どこも商売は大変ですよね。」


「まあ、酒屋では食っていけないけど、仕事があるから何とかやれてるよ。なんだかんだ言っても仕事があって収入が保証されてるってのは、恵まれていると思う。……複雑だけどな。」


彩が河川敷にぼんやり坐っているのを見たことのある沢口と、葛藤を抱えた彩が暴走したのを受け止めた里流は、肩をすくめるしかなかった。


店のシャッターを下ろし、三人はグラブを抱えて河川敷へと向かった。


*****


「なぁ。何かあったの?」


沢口がこっそりと耳打ちしてくる。


「え?何が?」


「織田先輩との会話が、固いっつ~か妙にぎこちないからさ。里流は先輩の事、ずっと好きだったろ?先輩が朔良姫のリハビリに付き金融投資合うって決めた時、わんわん泣いたよな?」


「沢口。昔の事だよ。いいから沢口は余計な事言うなよ?彩さんに迷惑かもしれないだろう。」


きつい目で告げると、里流は先を行く彩の背を追った。


「ばか……どうせ、またつまらない遠慮してんだろ?」


*****


彩が織田朔良の傍にいると告げた日、里流は蒼白の顔のまま黙々とグラウンドを走っていた。


陽が落ちても、ふらふらと延々走り続ける里流を止めたのは、友人の沢口だった。


「里流!もうやめろ!」


「ああ……沢口。どう……したの?」


「どうしたのじゃないだろう?いつまで走ってるんだ。先輩と何かあったんだろ。言ってみろよ?」


「何も……ない。元々何もなかった。おれが一方的に好きになって、勝手に告白しただけだ。」


「告白したのか?それで先輩はどう……?」


「……彩さんはこれからずっと織田朔良の傍に居るって……。織田朔良の怪我が心配だからって。仕方ないだろう?彩さんにとっての優先順位はおれなんかよりも織田朔良の方がずっと上なんだ……」


虚ろな瞳を空に向けたまま、そう呟いて以来、里流は何も言わなかった。


「里流はそれでいいのか?ちゃんと自分の気持ち伝えたのか?」